歯茎がむずむずしてかゆい原因をまとめると、12個考えられる。
1.歯周病
歯周病の初期症状で歯茎がむずむず痒い症状が出ることがあります。歯周病で炎症が起こっていると、歯茎から出血しやすくなったり、赤くなったり腫れたりして歯茎が敏感になります。そのためむず痒い症状として現れると考えられます。
2.アレルギー
歯科用の金属や歯磨き粉、特定の食べ物や花粉、診療用のゴム手袋などに対するアレルギーによって口の中や歯茎がむずむずすることがあります。口の中の粘膜の腫れ、違和感やしびれなどが出たり、皮膚に蕁麻疹、腹痛、喉が詰まる感じや呼吸困難が出る場合もあります。
3.ヘルペス性歯肉口内炎
ヘルペスウイルスによって起こる感染症で、口の中の粘膜に小さな水ぶくれができたり歯茎が赤く腫れて強い痛みを伴います。その症状が起こる前の症状として歯茎がむずむずすると言われています。
4虫歯
虫歯で穴が開いてものが詰まり、歯茎を圧迫して炎症を起こしむずむずする場合があります。詰まったものを取り除くことで症状はだいぶ取れますが、歯茎の炎症や出血しやすい症状はしばらく続きます。
5.かみしめグセ
歯を無意識にかみしめたり接触させる癖(TCH;Tooth Contacting Habit=歯牙接触癖)によって、歯を支えている組織が過敏になり、歯茎がむずむずする症状として現れることがあります。むずむずする他に、歯に違和感や痛み、冷たいものがしみるなどの症状が出ることもあります。
6.ストレス
ストレスを感じると無意識に食いしばりやかみしめをしてしまいがちです。それによって歯を支えている組織に負担がかかってしまうことや、ストレスによって唾液の分泌が減るため、それによって歯茎の炎症が起こりやすくなることも原因と考えられます。
7.疲労や体調不良
睡眠不足などで疲れていたり、風邪などで免疫力が落ちていると、歯茎の炎症を起こしやすくなります。
8.智歯周囲炎
親知らずが出てくる時にむずむずすることがあります。また、親知らず周囲は歯ブラシが届きにくかったり、中途半端に生えている場合に不潔になりやすく、常に炎症を起こしている場合も多い為、むずむずすることが多いです。
9.合ってない詰め物
詰め物やかぶせ物と歯との間に段差があったり、歯茎にかかっている場合、歯茎に炎症を起こすことがあります。むずむずする違和感の他、出血や腫れも常に持続してしまいます。また、歯の治療中の仮のふたで同様に歯茎の炎症を起こすことがあります。
10.ものが詰まっている
歯周病でものが挟まりやすくなっていたり、歯と歯の間の隙間が大きくて挟まりやすい場合、歯を支えている組織に炎症を起こして違和感やむずむず感などの症状を起こします。
11.歯の磨きすぎ
歯を一生懸命磨きすぎて、歯茎を傷つけてしまうことで起こります。
12.精神的なもの
心因性の蕁麻疹などがあるように、口の中にも特に外見上異常は見られないのにむずむずやピリピリなどの症状を出すことがあると言われています。
歯茎がむずむずする時に、かいてしまうことはかなり危険
掻くと歯茎が傷つきますので、すでに炎症が起こっている場合は特にむずむずが強い痛みに変わってしまう恐れがあります。また、ばい菌がはいって腫れたりすることも考えられます。ヘルペスなどのウイルス性のものの場合、触ってしまうことで周囲の人に感染を広げてしまう可能性もありますのでむずむずするからといって掻くのは危険です。皮膚のかゆみとは違って、掻いてスッキリすることはなく、症状を悪化させるだけですので掻くのは絶対にやめましょう。
歯茎のむずむずするかゆみの対策や予防、治療法は?
■歯茎のむずむずを起こさない為の予防・治療法
1.歯磨きをシッカリする
最低1日に2回はシッカリと歯ブラシでブラッシングをしましょう。とくに歯と歯茎の境目を忘れないようにして、細かく振動させてマッサージするように磨きます。歯間ブラシやデンタルフロスも夜に行うと良いでしょう。決して力を入れないように、普通またはやわらかめの歯ブラシを使うようにしましょう。出血しやすいところは炎症が起こっているサインです。きちんと磨いていれば2、3日で出血しなくなってきます。
2.歯医者で定期的にメンテナンス
歯磨きをしっかりやっていても、磨き残しは出てしまうものです。また、歯石もたまってきますので半年に一回は歯科医院でクリーニングも兼ねて定期的に虫歯のチェックなども受けましょう。
3.歯をなるべく合わさない
1日に上下の歯が触れる時間は食事や会話などの時間を含めても17分ほどと言われています。普段無意識に歯を合わせてしまっている人は、意識して歯を合わせないようにしましょう。力を入れていなくても歯には負担がかかってしまっているものです。
4.アレルギーを起こすものを避ける
特定の食べ物で違和感を毎回感じる場合には、その食べ物を口にしないことです。体調が悪い時などはアナフィラキシーショックを起こして命に関わることもあります。また、歯磨き粉やうがい薬で違和感を感じたりする場合は、体に合っていない場合がありますので使用を避けたほうが良いでしょう。また、アレルギー体質の人は歯科治療の際に歯科医師が使うゴム手袋でアレルギーを起こす場合もありますので、治療後唇や口の中、体に異常を感じる場合は歯科医師に相談しましょう。
5.疲れやストレスを溜めない
疲れているときや体調が悪い時は休息を取り体調を回復させましょう。また、適度に気分転換をしてストレスを溜めないようにしましょう。
歯茎のむずむずするかゆみにオススメの薬は?
歯茎の炎症に対して市販のもので代表的なものは殺菌成分や抗炎症成分の入ったデントヘルスや天然ハーブ由来のアセスなどがあります。また、最近では歯周内科といって薬で歯周病を治療する方法を行っている歯科医院もあります。主にジスロマックという抗生剤やハリゾンシロップやファンギゾンシロップなどのカンジダ菌を殺菌する薬を使います。口の中の殺菌作用の強い洗口剤としては、コンクールやシステマSP-1メディカルガーグル、ペリオバスターNなどがあり、通販などで購入が可能です。
ヘルペスに対しては抗ヘルペス剤という特効薬があり、ゾビラックス錠、バルトレックス錠などの内服薬、ゾビラックス軟膏、アラセナA軟膏などの塗り薬があります。むずむずしている段階で内服薬を飲むことで水疱が出ないで済むことがあります。
歯茎のむずむずするかゆみ まとめ
歯茎がむずむずする原因
- 歯周病
- アレルギー
- ヘルペス性歯肉口内炎
- 虫歯
- かみしめグセ
- ストレス
- 疲労や体調不良
- 智歯周囲炎
- 合ってない詰め物
- ものが詰まっている
- 歯の磨きすぎ
- 精神的なもの
歯茎を掻くと起こりうる危険性
- 掻くと歯茎が傷つき痛みや腫れを起こしたり感染する危険性
- ヘルペスの場合周囲に感染を広げる危険性
歯茎のむずむずに対する予防、治療法
- 歯磨きをシッカリする
- 歯医者で定期的にメンテナンス
- 歯をなるべく合わさない
- アレルギーを起こすものを避ける
- 疲れやストレスを溜めない
歯茎のむずむずにオススメの薬
<歯周病に対して>
- 市販の塗り薬:デントヘルス、アセス など
- 市販の洗口剤:コンクール、システマSP-1メディカルガーグル、ペリオバスターN など
- 歯科医院での口腔内科で処方されるもの:ジスロマック(抗生剤)、針ゾンシロップ、ファンギゾンシロップ
<ヘルペスに対して>
- 抗ヘルペス剤
内服薬:ゾビラックス錠、バルトレックス錠 など
外用薬:ゾビラックス軟膏、アラセナA軟膏 など
歯茎のムズムズの原因で一番多いのはやはり歯周病です。歯周病の根本的な原因は歯の周囲の細菌です。薬を使う前提として、シッカリと汚れを落としておかなければあまり効き目が期待できませんので、まずは正しい歯磨き方法できちんと汚れを落としておくことが重要です。いずれにしても、ムズムズする症状がある場合には何かの異常が起こっている場合が多いので、早めに歯科を受診しましょう。