歯茎が白い場合、膿の袋かも・・・
歯茎に白い部分ができた場合、まず疑うものとしては膿の袋です。通常、膨らんだり引っ込んだりを繰り返すことが多いですが、一般的には痛みはありませんので気づかない場合も多いです。
歯茎が白い場合考えられる原因
原因はほとんどの場合、根の先端に溜まった膿の袋が歯茎に出口を作った場合です。根の先に膿が溜まって出口を作らずに中で圧が高まると、強烈な痛みとして症状を出してくることがありますが、歯茎に膿の抜け道ができている場合には、膿の圧が高まることがありませんので、痛みがほとんど出ずに発見が遅れがちになります。膨らんだり引っ込んだりするのは、膿が常に作られて、溜まっては袋が破れて排出されているためです。
根の先端に膿がたまる原因としては
- 神経が死んでしまった(虫歯、外傷などにより)
- 根の中にばい菌が溜まっていた
- 根が割れた
などが考えられます。
歯茎が白い場合の治療法
1.根の中の感染が原因の場合(ほとんどのケース)
根の治療(根管治療)を行います。器具で汚染物質を取り除き、薬で消毒を繰り返していきます。
2.根の治療でなかなか良くならない、または膿の袋が大きすぎる場合
根の治療をやってもいつまでたっても改善が見込まれない場合には外科処置が必要となってきます。歯の状態や場所に応じて適した外科処置を行います。
歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)
根の先端の膿の袋とともに、根の先端も切除する方法です。
歯牙再植術(しがさいしょくじゅつ)
歯を一度抜いて、汚染された部分を徹底的に取り除いた後、元の場所にもどします。
ヘミセクション、トライセクション
大臼歯などの根が複数ある場合、問題のある根のみ切断して取り除く方法です。残した根はその後かぶせ物をしたり、隣の歯とつなげてブリッジにしたりなど活用することができます。2根あるうちの1根を取るのがヘミセクション、3根あるうちの1根を取るのがトライセクションと呼ばれています。
抜歯
どの外科処置を使っても残せない場合には抜歯となります。
歯茎が白い場合、考えられる可能性のすべて
上記であげたもの以外に、歯茎が白くなるものとしては次のようなものがあります。
1.アフタ性口内炎
歯ぐきにできる白いものでよく見られます。この場合は痛みを伴いますので、膿の袋とはその点で大きく異なります。1週間から2週間で自然治癒することがほとんどですが、症状を和らげたい場合にはステロイドの軟膏を塗るとよいでしょう。
2.口腔カンジダ症
口の中の常在菌であるカンジダ菌によって免疫力が低下した時などに現れることがあります。点状や線状などの白い膜が粘膜表面を覆ってピリピリとした痛みを感じます。白い膜を拭い取るとその下は赤く炎症を起こしたようになっています。治療法としては抗真菌薬の塗り薬やうがい薬、内服薬などがあります。
3.扁平苔癬(へんぺいたいせん)
口の中の粘膜や唇、舌などに白い病変がレース状に現れます。触ると痛かったり食べ物がしみることがあります。原因としてはアレルギーやストレス、遺伝などの関与が疑われていますが、はっきりとした原因はわかっていません。治療法としてはうがい薬、ステロイド剤、抗生剤の軟膏、向精神薬など、疑われる原因によって薬物療法が有効となる場合があります。
4.白板症(はくばんしょう)
口の中の粘膜にこすっても取れない、白い斑点状、または板状の病変が見られるもので、こすったりしても取り去ることができません。多くは痛みを伴いませんが、痛みを伴うこともあります。口腔癌の初期症状である場合があります。原因ははっきりしていません。治療はビタミンAの投与、刺激源があればその除去、手術による切除があります。
5.やけど
口の中をやけどすると、粘膜が白くなり、ざらざらし、のちに皮がむけたりします。通常は自然治癒します。
6.骨隆起(こつりゅうき)
口の中の骨が一部出っ張ったように成長している人がいます。上の歯の奥歯の外側、下の歯の内側などに多く見られ、歯ぎしりや食いしばりなど、強い力がかかることによりできると言われています。無害・無痛で、骨であるため触ると当然硬いです。入れ歯を入れるときなどに邪魔になる場合は取り除く場合もあります。
7.歯肉癌
口内炎のようなものができて、いつまでたっても治らない場合には歯肉癌である場合があります。2週間以上たっても一向に改善の傾向が見られない場合には歯科を受診したほうがよいでしょう。歯肉癌が疑われる場合には生検を行い、大学病院へ紹介となります。
歯茎が白い原因 まとめ
歯茎が白い場合に疑われるもの
- 膿の袋
- アフタ性口内炎
- 口腔カンジダ症
- 扁平苔癬
- 白板症
- やけど
- 骨隆起
- 歯肉癌
歯ぐきをじっくり見ることは普段あまりないかもしれません。痛みを伴わない場合もあり、その場合自分で発見することが難しくなります。手遅れにならないためにも、ぜひ歯科医院で定期的に検診を受けることをお勧めします。