せっかく費用と時間をかけて入れたインプラント、できる限り長持ちさせたいものですね。実は、インプラント自体は、虫歯になったり、溶けたり腐ったりということはありません。ですから、インプラントがダメになるというのは、実際のところ、歯や歯ぐきといった、インプラントを支える組織がダメになることなのです。インプラントを長持ちさせたいなら、歯周組織を健康に保つのがカギ。これからいくつか、そのためのコツをご紹介します。
インプラントを長持ちさせるには、定期健診(メンテナンス)に通う!
インプラントは、入れておしまいではありません。医院のほうから、状態に合わせて少なくとも一年に2~3回のメンテナンスが提案されます。必ずその通りに出向きましょう。
メンテナンスでは何をするの?
クリーニング
自分では落としきれていない汚れや細菌をプロの手できれいに落としてもらうことができ、これによってインプラントが歯周病にかかってしまう(インプラント周囲炎といいます)事態を防ぎます。また、歯周組織の検査をして、異常の早期発見につなげます。おうちでのセルフケアに改善点があれば、歯科衛生士から指導があります。
かみ合わせの調整
インプラントは天然歯と違い、歯の根っこと骨の間にクッションになる組織がありません。そのため、かみ合わせがちょっと合わないと、歯を支える骨にダメージを与えたり、人工歯が欠けたりする事態に。かみ合わせは、時間と共にあごの骨の位置が変わったり、周りの歯がすり減ったりすることで、少しずつ変化していくもの。そのため、定期的にかみ合わせをチェックし、レントゲンで骨の状態を見る必要があるのです。
全身の健康管理をしっかりと!
喫煙は、インプラント周囲炎にかかるリスクを2倍~6倍高めるとされています。また、糖尿病や骨粗しょう症も同じくリスクを高める因子です。インプラントを長持ちさせたいなら、ぜひ禁煙を。そして、糖尿病や骨粗しょう症にかからないよう生活習慣を見直しましょう。
ほかの歯のお手入れをしっかりと!
お口の中は一つの環境です。インプラント以外の歯が歯周病にかかっていると、同じようにインプラント周囲炎の恐れが。また、周りの歯が一本また一本と抜けてしまうと、それだけインプラントにかかる負担が増え、インプラントの寿命にも影響します。
ホームケアをしっかりと!
歯ブラシ、ワンタフトブラシ、スーパーフロスなど、自分のケースに合った清掃道具とその使い方を歯科医師、歯科衛生士から教えてもらいましょう。インプラントは、天然歯に比べて根元がくびれており、そこに細菌がたまりがち。毎日の積み重ねが、インプラントを長持ちさせる秘訣です。もし、几帳面でないとか器用でないとかの理由で、指導されたとおりにホームケアするのが難しい場合は、メンテナンスで通院する間隔を縮めてもらうのも一つの方法です。