歯周病の原因が歯垢(プラーク)である事は一般的に知られているかと思います。そのプラークを
取り除くのに最も効果的なのが、皆さんご存知の“歯磨き”です。
では、歯磨きだけで、歯周病は治すことが出来るのでしょうか。今回は、歯周病に有効なブラッシングの方法やブラッシングだけで歯周病を治すことができるのかについてまとめました。
歯周病に有効なブラッシングはどんな方法??
歯周病に有効なブラッシングの方法として、覚えておくポイントが一つあります。
歯周ポケットのケアを行うこと
※歯周ポケットとは歯と歯茎の間の隙間のことを言います。
歯に問題が無い場合は、ここの溝は1~2ミリほどですが、ここにプラークが付着することで、溝が3ミリ4ミリと深くなっていき、最終的に歯が抜けます。
歯周病とは、ここの歯周ポケットが深くなって行く病気なのです。
これを阻止するために、ブラッシングが重要になります。
歯周病を阻止する3つのブラッシングポイント
歯周ポケットからプラークを除去するために、ブラッシングには4つのポイントがあります。
①歯ブラシは垂直ではなく、歯と歯茎の境目に45度の角度であてる
②歯周ポケットのプラークを掻きだすように優しく磨く
②1つの歯に対し、20回を目安に磨く
歯周病の進行を防ぐ、ブラッシングの基本は以上の3つのポイントです。
では、このブラッシング、歯周病に対してどの程度効果があるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
歯周病へのブラッシングは効果的であるが、ブラッシングだけで完治するとは言えない。
歯周病はブラッシングだけで治る場合もありますが、症状の判断が非常に難しいため、ブラッシングだけで治すことは言えないというのが現状です。
厳密に言えば、治るケースもありますが、それは本当に初期で症状も軽い場合です。
つまり治るケースはあるものの、それを自身で判断できない以上、歯周病の初期症状があれば歯科医院に行くという選択肢が一番有効です。
歯周病は歯科医院でのケアと自宅でのブラッシングの双方が何よりも大切になります。
プラークから歯石になると、ブラッシングだけでは太刀打ちできない。
プラークが歯周病を引き起こすのは、細菌が集まっているからです。
このプラーク自体は、ブラッシングで取り除けますが、プラークを放置すると歯石へと変化してしまいます。この状態になってしまうと、ブラッシングでは取り除けません。
プラークは放置すると4~8時間で歯石への変化を始めると言われています。
この歯石にも、もちろん細菌は集まるので、これを取り除かない限り、歯周病は完治しません。
つまり、歯周病が発生し、歯石も確認できる場合は、ブラッシングだけで治すのは不可能になります。
ちなみに歯石は石灰状態になっているので、目で確認する事もできますが、歯の箇所や歯石の位置によってはもちろん確認できない為、歯科医院で診断してもらうのが確実です。
いかがでしたか?
ブラッシングだけで歯周病が治るのが「可能か不可能か?」で言えば、症状によっては可能というのが答えになります。
しかし、その症状を見極めるのが素人判断では大変むずかしいです。
歯周病は「静かなる病気」とも呼ばれ、自己症状が大変出にくく、気がついた時には手遅れになっている病気です。歯周病治療は初期であればほとんど痛みを伴うことはありませんので、歯茎から血が出るなどの歯周病初期症状がある場合は歯医者さんで相談してみてください!
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