読売新聞オンラインによると地域医療活動に長年にわたり貢献した医療関係者を表彰する「第四十三回医療功労賞」を静岡県の歯科医、多田啓里さん(トップ画像)が受賞したと報道されました。
井川診療所歯科医 多田啓里さん75歳
多田さんは歯科医師として60歳を過ぎたころ、静岡県からの依頼で井川診療所で診察を始め24年この地域に貢献した功績が今回の受賞に繋がりました。
この静岡の「井川」という地域に聞き覚えのある方は少ないと思います。
JR静岡駅よりクルマで90分。急峻な山の中に位置するこの地域は、静岡県では数少ない豪雪地帯です。
人口は600人ですが、景色が美しく南アルプスでも有数の景観です。
オクシズ100選より
交通の不便な井川の人たちに安心できる歯科医療を届けたい。
静岡の中心地清水区にある自宅から片道2時間。雪の日は3時間かけて井川へ診療に出かける。
歯科医院1医院の患者数が15.3人と言われる中。倍の30人を一日に診療している多田さん。
顔なじみの患者さんたちに安心できる歯科医療を届けるたい。その一心が多田さんを突き動かす。
2013年には大腸がんを患い、23年目にして初めて「やめよう」という気持ちがよぎった。しかし、井川で自分自身を待っている患者さんの為に、自らを奮い立たせ手術後まもなく復帰。
「自分が受賞していいのかと思いますが、過疎地医療に携わる人達の励みになれれば」と受賞の喜びを表現している。
最先端の歯科技術も、もちろん大切である一方でこうした、過疎地医療の重要さも決して忘れてはいけないです。今後の歯科医療に希望となる、素晴らしいニュースでした。