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インプラントの失敗を時系列で6つに整理すると、長所と短所が見えてくる。

2014年12月16日 15時59分
インプラントに興味はあるものの、失敗の危険性は無視できない・・・。だからこそ、どういった失敗があるのかを事前にしっかりと学びましょう!ここでは医院の選び方の段階から治療後までよくある失敗パターンを解説しています。

インプラントの失敗を時系列で6つに整理すると、長所と短所が見えてくる。

インプラント治療は第3の歯とも呼ばれており、快適に食事ができて違和感も少ないとても素晴らしい治療法です。しかし一方で、一度失敗したインプラントを他の患者さんに使ってしまったインプラントの使いまわし事件や手術中の死亡事故なども起こっている問題のある治療法とも言えます。今回はそうしたインプラントの治療の中でも特にインプラントの失敗にフォーカスを当て、インプラント失敗が起こりうるポイントを時系列でお伝えしていきます。

この記事でわかることは以下の6つの内容です。

  • インプラント医院選びで起こりうる、失敗ポイント
  • インプラントに同意した後に起こりうる失敗
  • 手術中に起こりうる失敗の具体例
  • 手術成功後に起こりうる失敗
  • 前歯のインプラントで起こる失敗パターン
  • インプラントを失敗させないために、あなたにできること

以上の6つの内容を中心にインプラントでの失敗を総合的に解説していきます。それでは参ります。

①インプラントの失敗は、医院選びで9割が決まっている

インプラント 失敗インプラント治療での失敗を避けるために、避ける事が出来ないことが医院選びです。この医院選びを誤るとインプラント全体への失敗へとつながります。そうした失敗を避けるために、注意したほうが良いインプラント医院の特徴をご紹介致します。

1-1必要ないのにインプラントを勧められる

どんな病気でも治療の決定権は患者さん本人にあります。自分が必要と感じていないのにも関わらず無理にインプラントを勧めてくる医院は注意が必要です。インプラントを勧める理由およびインプラント以外の治療についてしっかりと聞きましょう。こちらの質問に対し、あやふやな回答やうまく答えが返ってこない場合は怪しんだ方がいいかもしれません。

1-2その他の選択肢をしっかりと検討していないのにインプラントを行なおうとする

歯を失ってしまった場合の治療方法にはインプラント治療の他に入れ歯やブリッジと呼ばれる治療法があります。どの治療方法にも利点と欠点がありますので、必ず利点欠点を説明してくれる医院を選択して下さい。インプラントに詳しくなるためには、他の治療法についての知識も必要不可欠です。インプラントに詳しければ、詳しいほど他の治療法にも長けているのが普通です。

1-3歯を残さずに、簡単に抜きたがる医院は注意

インプラント治療に限らず診断のミスは大きな失敗に繋がります。そもそも、その歯は抜かなければいけない歯なのか、歯を残すための方法は無いのか、インプラント治療に入る前の段階から十分な診査診断をしてくれる病院を選びましょう。中には抜く必要のない歯を抜き、インプラントをしようとする歯科医院も存在しています。

1-4少数歯欠損は位置が限定されるため特にトラブルになりやすい

歯の無い場所が1本や2本といった場合はトラブルが起こりやすい場合があります。これはインプラントを埋める場所が歯の無い場所の状態に左右されてしまうからです。例えば歯を失ってしまった場所だけ大きく骨が無くなっていたり、歯の無いところの隣の歯が傾いてきてインプラントを入れるためのスペースが少なくなったりしている事があります。

インプラントを骨が無いところやスペースの無い場所に埋めようとすると、少し埋める角度がずれてしまっただけで隣の歯の根に傷をつけてしまったり、場合によっては大きな血管に傷をつけて大出血に繋がることもあります。少ない本数でもCTを撮影してしっかりと計画を立ててもらえる医院を選びましょう。

②インプラントの失敗は治療計画中にも起こりうる。

インプラント 失敗インプラントは手術前の計画中にも失敗・成功の分かれ道が存在します。治療を行う上での成功を左右する注意点、ご紹介いたします。

2-1インプラントに耐えられるカラダか否か調べないと失敗する

インプラント治療では全身的な検査も必要となります。スクリーニングのため血液検査や血が止まるかどうかを確認する出血時間の検査、血液の凝固系の検査、血圧などは調べたほうが良いでしょう。さらに糖尿病の検査は重要です。糖尿病の方は感染し易く、せっかく埋めたインプラントがダメになってしまう事があります。手術前に血糖値のコントロールをしていきましょう。

2-2骨は足りていますか?

インプラント治療にはレントゲンとCTの撮影が必須です。骨の幅や高さ、密度、形などは個人個人で差があり、また、前歯や奥歯などインプラントを埋める場所によっても変化します。もし骨の量が少ない場所にインプラントを埋めると、インプラント全てが骨に覆われないため感染や脱落の原因に繋がる場合があります。

2-3歯が抜けた原因は解消されていますか?

インプラント治療を行う前に、なぜその歯がダメになってしまったのかを考える必要があります。例えば歯周病が原因で歯を失った方は、インプラント治療の前に歯周病の治療を優先して行います。これを行う事によって、インプラントが歯周病菌に感染することを防げます。また咬み合わせが原因で歯を失ってしまった人は、咬み合わせを治さない限りインプラントを埋めてもインプラントが悪くなってしまう場合があります。

③もっとも不安と言えば手術。インプラント手術中の失敗

インプラント 失敗
インプラントは歯科治療の中で手術を伴う珍しい治療です。インプラントに限ったことではなく、手術に絶対はありません。危険を伴うのが手術です。術中は医師に任せることしか出来ませんが、知識としてインプラントの手術中に起こりうる失敗を見ていきましょう。

3-1血管、神経、上顎洞粘膜(じょうがくどうねんまく)の損傷

手術中の失敗は最も大きなトラブルに繋がります。特に血管や神経の損傷は大きな問題になる場合があります。動脈を損傷すると大出血に繋がる恐れがあり、止血が出来ないと命に係わる事故につながる場合もあります。神経の損傷は重篤で麻痺が残ってしまう事もあります。その他、上顎洞粘膜と呼ばれる上顎の粘膜を損傷すると蓄膿症などを引き起こしてしまうことがあります。
※赤い丸部分が上顎洞。上の歯と非常に近い位置にある
インプラント 失敗

3-2インプラントが顎の骨を突き抜ける

手術の失敗でインプラントが骨を突き抜ける場合があります。これは実際の骨の長さよりも深くドリルで穴開けてしまったり、角度を間違えて斜めにドリルで穴を開けることで実際の骨の幅からドリルがはみ出してしまいます。失敗の原因は術前のCTでの精査を行っていないか、CTを撮っていたとしてもシュミュレーションでミスをした場合が考えられます。

またドリルの長さを間違えたり、角度を間違えたり、ドリルで穴を開ける際に力を入れ過ぎたりすることでも起こります。これらの失敗を少なくするためには、CTをしっかりと読影する力とインプラント手術用のガイドを使うことが重要です。また人為的なミスを少なくするには歯科医師一人ではなく、それを介助する歯科衛生士や歯科助手と一緒に確認することが重要になります。

3-3ネジが歯茎から出る

インプラント 失敗インプラントのネジが歯茎から見えるように出てしまう事があります。この原因は骨の幅が薄くインプラントが全て骨に覆われない場合やインプラントが感染を起こして骨の量が減ってしまった場合に起こります。さらに歯茎が薄い方の場合も歯茎が下がりやすくネジが見えてくることがあります。

インプラントのネジが歯ぐきから出る失敗を回避するためにはインプラントを埋める際に骨の量を十分な状態にしておくことが重要です。もし骨の量が足りないときは骨を移植する手術を併用します。さらに厚い十分な歯茎も必要になります。歯茎の薄い人は歯肉移植手術を併用します。

3-4 術中の細菌感染

インプラントが手術中に感染して、手術後インプラントが骨と付くことが出来ずに脱落してしまう事があります。この原因は口の中にある常在菌が手術部に感染する ことで起こると考えられています。これを回避するためにはインプラント術前の徹底した口腔内の清掃および消毒が必要になります。さらに手術で使う器具・ 機材の滅菌や消毒、インプラントの使いまわしをしない、唾液にインプラントを触れさせないなどの細かい注意点が必要になります。

④インプラントの失敗は、術後の方が多発する。術後に起こりうる失敗

インプラント 失敗インプラントは骨に穴を開けるという行為が派手であるため、そこに注目が集まりやすいです。しかし、大切なことは骨に穴を開けることよりもむしろ術後です。インプラントを失敗にするか、成功にするかは術後が大きなカギを握っています。

4-1インプラント術後失敗の代表格、インプラント周囲炎ってなに?

インプラントも歯周病と同じような状態になり、インプラント周囲の歯茎から出血したり腫れたりすることがあります。これをインプラント周囲炎と呼びます。原因はインプラント周囲の不衛生によって起こります。毎日のインプラント周囲のケアと定期的な歯科医院でのケアを行う事で回避することが出来ます。

4-2上部構造がとれる

インプラント 失敗インプラント上のかぶせ物が外れてしまう事があります。インプラント上のかぶせ物を上部構造と呼びますが、上部構造をインプラントと着ける方法は2つです。セメントで着ける方法とネジで固定する方法です。セメントで着けた場合は長期間の使用によりセメントが溶出して上部構造が外れてしまうことがあります。ネジで固定した場合はネジが緩んでしまったり、折れてしまったりすることで外れてしまいます。いずれも完全に外れないようにすることは難しいのですが、咬み合わせをしっかり調整することで外れることを防ぐことが出来ます。

4-3インプラント脱落(顎から外れる)

インプラント治療が終了した後しばらくしてインプラント体が脱落してしまう事があります。インプラント周囲炎が進行してインプラント周囲の骨を溶かしてしまうことが原因です。骨が溶けた結果、インプラント体が脱落します。インプラント治療が終了してもインプラント部を含めた毎日のお口のケアを行う事と定期的な歯科医院でのケアが必要になります。

4-4骨が足りなかったため、歯茎からネジが出る

インプラント治療が終わった時はネジが見えていなかったのに、治療後しばらくしてインプラントのネジが見えてくることがあります。これはインプラントを埋めるときの骨の量が少なかった可能性があります。これを回避するためには手術時にしっかりと骨を作りインプラントを埋める必要があります。一度ネジが見えてしまった場合はインプラントを一度除去して骨の移植からやり治すか歯茎を移植して覆い隠す方法があります。歯茎を移植した場合には再度ネジが見えてくる可能性が高くなります。

4-5上部構造、被せ物の噛み合わせが悪い

インプラントの上部構造の咬み合わせが悪い場合は、咬み合わせを調整してもらいましょう。インプラントは自分の歯と違い、歯根膜と呼ばれる緩衝作用がありません。その為、咬んだ力がそのままインプラント体に伝わってしまいますので注意が必要です。

4-6インプラントが骨と結合しない

インプラントが骨と着かない場合があります。インプラント手術時に感染してしまった場合やドリルで穴を開けた際に骨が火傷してしまった場合に起こります。術前術後の口腔内清掃やドリルの丁寧な操作が必要となります。

4-7治療後しばらくして、歯茎が腫れる

インプラントの治療が終わった後しばらくして、インプラントの周囲の歯茎が腫れる場合があります。これもインプラント周囲炎を起こしている可能性が高いです。毎日のケアを行っていても、自分自身ではどうしても口の中の見えない場所があります。ケアの足りないところ、やり方を定期的な歯科医院のメンテナンスで補っていきましょう。

⑤インプラント失敗の可能性が高まる難易度の高い前歯インプラント

インプラント 失敗奥歯と前歯、どちらの方がインプラントの失敗の可能性が高いかと言うと答えは前歯です。がっちりとした骨に支えられている奥歯と比較し、前歯はそうでは無いため難易度が高くなります。

5-1前歯の難易度が高い理由は骨が薄いから?

前歯のインプラントは難易度が高いと言われています。その理由は審美的な歯茎の形態を作るのが非常に難しいからです。特に骨が薄い場合はインプラントのネジが透けて黒く見える事があり骨移植を併用しないといけない場合があります。骨移植だけでなく歯肉の移植も併用する場合もあります。

5-2前歯のインプラントは歯肉退縮しやすい?

骨や歯茎が薄いということは、歯茎が退縮しやすいことに繋がります。歯茎が退縮するとネジの部分が見えてきたりすることで、審美性を失ってしまいます。しかし、どんなに歯科医師の技量が良くてもインプラントは年月と共に少しずつ周りの骨の量が減ってくることが報告されています。永久に同じ状態のまま経過することは不可能であることは理解しておきましょう。

5-3審美的に歯の高さが異なることがある?

通常同じ種類の歯は同じ長さであるほうが見た目がきれいに見えます。しかし骨の量や歯茎の量の関係、インプラントを埋める場所の関係で最終的な上部構造の長さが隣の自分の歯より長くなってしまう事があります。前歯のインプラントでは最終的な見た目の状態も予測してインプラントを埋める場所や骨の移植、歯茎の移植を行っていく必要があります。

前歯のインプラント行う際には、複数の具体的な症例を見せてもらう、術後のことをしっかりと話し合うなど多くの情報を集め、不安なことはどんどん踏み込んで聞きましょう。

6インプラントを失敗させないために、あなたにできること

インプラント 失敗インプラントの失敗についてご理解頂けましたでしょうか?以下に今までの失敗パターンをまとめながら、インプラント医院の選び方のコツをまとめていきます。

  • 医院選びでできること:説明と検査をしっかりと行う医院を選ぶ

インプラント治療を失敗させないためには、医院選びからが大事になります。インプラント以外の治療法も含めてその利点と欠点をしっかりと聞きましょう。そして、自分がやってみようと思ったらさらに全身的な検査、レントゲン、CTなどのインプラントのために必要な検査をしてもらうことが大切。特に歯を失った原因の究明とそれに対する処置を優先してくださる医院は信頼できます。

  • 術後にできること:定期的なメンテナンスを欠かさないこと

インプラントの手術中は歯科医師の技量を信じるしかありませんが、手術前にはインプラント手術中、手術後に起こる合併症と最終的な上部構造の状態や材質、金額などもしっかり説明をしてもらいましょう。また、インプラント治療が終了した後もご自身でのケアをしっかりと行いさらに定期的な歯科医院でのケアも怠らないようにしましょう。しっかりとしたインプラント治療を行えば、第3の歯としてあなたの健康を守り続けてくれるものになるでしょう。

インプラントは非常に効果であり、通常の歯科治療に比べると危険を伴います。しかし、それを加味しても余りあるほど便利なものです。そうしたものをしっかり と享受するために、まずは適切な知識を身に付け歯科医師と対等に渡り合えるだけの準備を行いましょう。ここまで「インプラントの失敗」に関して知識を身に 付ければまずは医師との話で困ることはありません。アナタのこれからのインプラントが素晴らしい物になることを願っています。

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