歯周病が原因の臭いや口臭、これは男女問わず気になる問題です。仕事中や異性と会う時など、様々なシーンで不安になった経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
口臭は主に生理的口臭と病的口臭の2つに分ける事ができます。生理的口臭は、飲食やホルモンバランスによるもの、朝起きた時などに気になる口臭の事ですが、 病的口臭は口や鼻、胃腸、全心疾患などでおこります。中でも、口の中が原因の口臭が全体の90パーセントを占めるとまで言われているのです。その一番の原 因は歯周病ですが、歯周病だとなぜ口臭がおこるのでしょうか?
本日は歯周病と口臭の関係に迫っていきます。
歯周病が臭いのは何故??
歯周病の臭いの原因を考えるために、まずは歯周病について探っていきましょう。
歯周病とは『細菌感染によって引き起こされる炎症性疾患』の事です。食べカスや細菌の塊のプラークが歯ぐきに炎症を起こして、さらには歯ぐきの中にまで細菌が入り込んで歯周ポケットといわれる深い溝を作り、歯を支えている骨を溶かしていってしまう病気です。
歯周病は自覚症状が出にくい
歯周病初期の段階では、歯ぐきに炎症が見られる程度で痛みもなく、歯周ポケットは1〜2ミリで骨もほとんど溶けていません。
軽度の歯周病になると、炎症の他に歯ぐきの腫れや出血、しみる(知覚過敏)といった症状が現れて歯周ポケットも3〜4ミリほどになっていきます。
中等度になると、歯ぐきから膿が出てきて歯が動くようになり、歯周ポケットも4〜5ミリ以上と深くなっていきます。この頃から歯ぐきの痛みや口臭が出てきます。
重度になると、歯のぐらつきも大きくなり歯ぐきも赤紫でブヨブヨしてきます。歯周ポケットも6ミリ以上とだいぶ深くなってしまいます。歯の根の長さはおよそ10ミリなので、歯を支えている骨がだいぶ失われてしまっている事になります。
歯垢だけが歯周病の原因ではない
歯周病はプラークだけでなく、喫煙や歯ぎしりくいしばり、不規則な食習慣、合わない詰め物、ストレス、全心疾患、妊娠などによっても進行していきます。
ご自身が歯周病にかかっているかどうかを次のチェック項目で確認してみてください。
- 歯ぐきの赤み
- 歯ぐきからの出血
- しみる
- 歯が長くなってきた、伸びた
- ぐらつく
- 食べ物がつまりやすい
- 浮いた感じがする
- 噛みにくい
- 歯ぎしり、くいしばりをしている
- 朝起きたときに口の中がネバつく
- 口臭がある
- 歯ぐきから膿が出る
この中で1つでも当てはまれば、すでに歯周病にかかっている可能性があります。
また、2の出血するのは、歯周病が進行してきている証拠です。4以降は骨が溶け始めている証拠で歯周病は中等度となり、早急に歯周病の治療を始めたほうが良いでしょう。
中等度の歯周病になると歯周ポケットは4ミリ以上となりますが、口臭の原因となる臭いのもとが発生してくるのもこの頃です。
歯周病の菌が臭いニオイの原因を作っている
歯周病が原因による口臭は細菌が原因です。口の中には様々な種類の細菌が住んでいますが、中でも空気を嫌う嫌気性菌は深い歯周ポケットの中に住み着き、臭いのもととなるメチルメルカプタンや硫化水素を産生し始めます。
歯周病が原因のニオイの場合「腐ったタマネギ」などのニオイがする
歯周病の臭いは感じ方が人それぞれで、タマネギが腐ったような臭い、カビ臭い、生ゴミの臭い、どぶ臭い、肉がくさったような生臭さなど様々です。これらの臭いに本人は気づかなくても、周囲の人が何となく遠ざかるとか家族からの指摘などで初めて気づく人も多いようです。
自分の口臭を測るには、ビニールを使用すると良い
自分の息が臭いかどうか調べるには、手に息を吹きかけて嗅ぐのが簡単ですが、それでは手の臭いなども混ざってしまいあまり正確にはわかりません。
他の簡単な方法としては、ビニール袋に息を吐き出し、袋の口を閉じてしばらく経ってから袋の中の臭いを嗅いでみる方法です。歯周病のチェック項目で4以降が当てはまる方は、一度この方法でご自身の息をチェックしてみるのもいいでしょう。
口臭の原因は様々だが、まずは口の中の病気を疑うと良い。
口 臭の原因はいろいろありますが、主に口の中が原因である事が多いので、口臭が気になる方は歯科受診をなさってみてください。歯周ポケットの深さやレントゲ ンなどの簡単な検査で歯周病にかかっているかどうかを調べる事ができます。これらは保険がききますので費用も安くすみます。
歯周病にかかっている時はどのような治療を行う??
では、歯周病にかかっているとなった場合はどのような治療をしていくのでしょうか?
歯周病初期の段階
歯 周病初期の段階であれば、ブラッシング指導や歯石取りなどで2〜4回程度の回数で済みます。軽度の歯周病ですと、歯周ポケットが少し深くなりますので、中 に付いているプラークや歯石取りも必要になってきます。回数は6回以上になる事があります。ここまで保険の範囲内で治療はできますが、レーザー治療など特 殊な治療は保険外になります。
歯周病中期の段階
中等度以上になると、歯周ポケットもだいぶ深くなってしまいますので、歯肉再生手術などが必要になってくる場合もあります。費用は保険外で数万円かかることが多いようです。
歯周病による臭いニオイを改善するには??
歯周病の臭さを改善するには、歯周ポケットの中に住み着いている細菌を取り除かなければいけません。歯科医院でポケットの中の歯石やプラークをきちんと取ってもらえば、口臭がなくなり歯周病も改善されます。
必ずしも保険外の治療まで必要ではなく、保険の範囲内の治療でも改善は可能です。どのような治療が必要で最適かは、主治医とよく相談なさってください。
歯周病が原因で口が臭くなっている場合は、放置はやめて
歯周病の治療をせず放っておいたり、途中で止めてしまったりすると病状は悪化して、最悪のケースでは抜歯となってしまいます。そうなる前に、歯科医院できちんとした治療を受ける事は大事ですが、口臭の予防改善にもつながるご自身でもできるセルフケアがあります。
歯周病のニオイを取るには、ブラッシングが基本
歯周病の臭いニオイには、まずブラッシングです。力は入れずに、歯ぐきに近い所を細かく磨くようにしましょう。舌も軽く歯ブラシでなでるように磨くといいです。歯ブラシ以外に、フロスや歯間ブラシも必ず使用して歯と歯の間の汚れも取るようにしてください。
禁煙も大切
そして禁煙です。タバコは歯周病を進行させますし、体にもいい影響は与えません。しかし、完全に禁煙するとなるとかなり厳しいかもしれませんので、一日の量を減らす努力はされた方がいいでしょう。
食生活の見直しも
また、不規則な食習慣も見直しましょう。間食が多い方や、職業的に常に飲食物を口にしなくてはいけない方などは、口臭を含む歯周病だけでなく虫歯にもなりやすくなります。
歯周病のニオイに対する対処療法は
歯周病のニオイに対する一時的な対処法としては、歯ブラシができない場合はガムを噛んだり、歯周病•口臭予防効果のあるマウスウォッシュなどを使うのもいいでしょう。
また、果物やウーロン茶は臭いのもととなる物質を抑える働きがあります。また近頃流行っている体内の免疫力を高めるなたまめ茶も効果があるようです。
歯周病専門で治療を行なっている歯科医院がある。
歯 周病の口臭が気になる場合は、歯周病を専門とする歯科医院に行くといいでしょう。きちんと検査をして現状の説明をしてくれます。治療の回数や大まかな費用 も教えてもらえます。さらに、治療をしてくれる歯科衛生士が担当制である方が好ましいです。いつも同じ人に診てもらえると病状が把握できているので安心で す。
歯周病は継続しての治療が大切。
歯石を取ったり治療を続けても、口の中の歯周病菌がゼロになるわけ ではありません。そのため、一度歯周病と診断されたら、治療が終わっても3〜6ヶ月おきのクリーニングが必要になってきます。セルフケアではどうしても防 ぎきれない部分を、専門的なクリーニングできれいにして良好な状態を維持していきましょう。たとえ重度の歯周病でも、定期的なクリーニングに通っていれ ば、悪化を防ぎ状態を維持する事も可能です。
歯周病の治療の先に、臭いニオイの改善がある。
歯周病の治療を進めていくと、口臭も改善されることが多いです。お口の健康は全身の健康にもつながりますので、口臭が気になる方はセルフケアと歯科医院でのクリーニングを受けてみてはいかがでしょうか。
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