皆さん、こんばんわ!どくらぼ編集部でございます!今回は、
脳梗塞後の口腔ケアについてお教え致します。
毎年50万人程度が発症している脳梗塞。
日本人の寝たきり生活を送る30%の方が脳梗塞が原因とされています。そして、寝たきり生活を送る方には、口腔ケアが十分ではなく窒息死するケースも発生しています。
脳梗塞だからこそ、口腔ケアが大切なワケ
①肺炎を防ぐ
脳梗塞により寝たきりや口から食べられなくなった場合、唾液が減少し細菌が繁殖、気道内へ侵入しやすく肺炎を起こすことになります。また、舌の感覚も麻痺し、食べ物を上手く移動させにくくなり、頬の内側や上顎に食べかすも付きやすく、誤飲性の肺炎を引き起こします。
②食欲を増やし、窒息死を回避できる。
口の中を刺激することにより食欲を増進させ、唾液の分泌を促すことも期待できます。また、口の中にものが残った状態のまま寝かせると、窒息死の原因にもなりますので、口腔ケアを行うことで窒息を未然に防ぐことも可能です。
③脳が若返る
寝たきりの方に口腔ケアを行うことで、脳みそが発達するとも言われています。これは大脳皮質の運動と知覚を支配する部分の3分の1が口腔機関に係る部分であるためです。例え絶食中でも口腔マッサージなどを行うことが脳の刺激へと繋がります。
脳梗塞の方への口腔ケアの方法
嚥下障害のある方は下のように首を少し前屈させた姿勢で口腔ケアを行って下さい。
口内を洗浄するときは、頭を横に向け誤飲を防ぎます。
座れる方は座ってもらった方が、行いやすいです。自分で歯磨きをすることに挑戦する場合、片麻痺があると、ご自分では思うように磨けずに苛立ちが起こり、歯磨きに消極的になりがちです。利き手交換をしても磨きやすい器具の工夫が必要です。
下のような持ちやすい補助具もあるので、介護用品のサイトをよく調べてみて下さい
「くるくるシリコングリップ」という商品で、歯ブラシやスプーンを滑りにくく持ちやすくするものです。
また、歯がまったくない方には、ノンアルコールの洗浄液を含ませたガーゼを指に巻き付け口腔内をふき取るという方法もあります。
服用する薬が歯茎の出血をまねく
脳梗塞になると、ほぼ必ず抗血液凝固療法を行うためにワーファリンやプラザキサ、アルガトロバンやバイアスピリンなどのお薬が一生涯離せません。この薬は出血が止まりにくくなるので、歯ブラシは柔らかくソフトなものを使用し、歯茎を傷つけないようにします。
ということは?
歯を抜くような治療は抗凝固薬を一端は中止するか、抜歯の出血が止まりにくいかのリスクを負うわけで…。脳梗塞患者さんは、特に歯を大切にしないといけないのです。
脳梗塞患者さんと、口腔ケアまとめ
①口腔ケアは、肺炎を防ぎ、脳みそを若返らせる
②嚥下障害のある方への口腔ケアは姿勢に注意
③服用する薬には、歯ぐきからの出血が止まりにくいことがあるので、注意。
以上です。最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!